第九章(一)     『歴史は塗り替えられた』


陽炎が濛々とたちこめる1300年前の蜃気楼でした

濃霧は消え歴史は晴れわたりました

それでは唐代歴史の整理を致しておきます

 

 1・獅子印「寶」は中国・唐代・天寶・唐朝の神噐「承天の大寶」です。

 1・神噐・太極「寶」制作を命じたのは大唐の玄宗皇帝です。

 1・天文学的確立の奇跡の印文を考案し上奏したのは、道教茅山派12代宗師、司馬承禎

   です。

1・「寶」の印材は、陶磁器制作の過程で中国史上初めて開発された磁器、唐白磁でメイドイン

 ・チャイナの原点です。

1・712年「太極」の年号より「寶」制作の準備は始まり、開始は璽を「寶」に改称した718年で、

  完成は年号を瑞兆改元した天寶742年です。

  制作期間は準備期間を入れ約30年の歳月をかけた奇跡の陶磁器です。

1・神器「寶」安置場所は洛陽、「玄元皇帝廟」、又の呼称は「太微宮」です。

1・玄宗皇帝が泰山封禅の儀式で天に上泰した秘密の文句は、この「寶」の印文です。

1・睿宗・玄宗の載冠の尊号、「聖文」は「寶」に印された「九文字」を指す

1・安史の乱で杜甫が詠み安禄山が奪った神器は、太極「寶」です。

1・史思明が大燕皇帝と天下に宣言し、天下の覇者たるを通達した記念銅貨の銭文は神器

  「寶」を指す。(得一元寶・順天元寶)

1・杜甫が正せと叫ぶ神器とは、この「寶」のことです。

1・今日、故宮の王座左右に鎮座する「天子諫言」の獅子、及び東洋文化圏に広く伝承する

  獅子信仰は、中国・隋唐の頃よりシルク・ロードを経て現れた獅子であるが、現代まで

  伝わるその源は、唐朝のシンボル神器「寶」の獅子「白澤」です。

1・「寶」は伝説の器「方円の器」です。

1・開元から天寶に改めた瑞祥改元は神器「寶」の完成です。

1・「寶」は極大極小の「太極」宇宙を創造したものです。

1・『大漢和辞典』最終最大画数のの二文字は「寶」創造により生まれた承禎文字

  です。

1・唐代「太極」「先天」「開元」「天寶」の年号は全て神器「寶」に因むものです。

  本書の獅子の陶印「寶」は『大漢和辞典』に戴く「寶」です。

 以上唐代歴史の整合に矛盾はありません

それほど唐代における神噐「寶」の存在は桁違いに大きいのです

まさにその「寶」を名も知れぬ陶工集団は27年間、奇跡を、ただひたすら信じ焼き続け

たのです。
 
本書は純粋な学術書ではありません。

またその任でもありません。
 
しかしながら、多くの方々のお力添えにより、「寶」の本質、隠された壮大な歴史の

「真実、」その ”大本”だけは間違いなく証明したと断言するものであります。
 
歴史は未来を観る座標軸、文化は人類共有の財産であります。
 
身を挺し全力を尽くしました。
 
こののちは全て天命に委ねるものであります。

                                                 平成19年3月13日