NO,6

「寶」から観た、世相斜め切り
 
日本道教学会堀池信夫会長殿読まれたし


過去10年近く中国5000年の至宝「寶」の発見を世に訴えてきた。

新聞・テレビ・出版社・その他のマスコミ・学者・美術館・著名人・等々。

殆ど沈黙である。

信じられない事である。

「寶」発見に驚かれ、陳健中国大使の指示により、中国故宮博物院が公式文書で鑑定した

のは千葉成徳大学の王敏先生の働きによるものである。王先生は中国全土の大学から選抜

され文系で始めて国費で来日された中国若手ナンバーワンの才女である。

その王先生が、勤めて冷静な応対をした電話の私に“貴方の考えておられることより、も

っともっと大変な事です”と興奮して話された。

また中国研究は当然で、易と陰陽五行そして日本民俗学の第一人者、吉野裕子博士も驚愕

され、「寶」を自書の中で紹介し、私の実名を「あとがき」で掲げていただいた。

そして私の実名を本文に載せなかった事を詫びておられた。

長年・中国の陰陽五行思想から日本民俗学を照射、考証され民俗学の草分け東大の柳田國

男先生が遂に見えなかった民俗学の深淵を喝破なされ、他の研究者の追随を許さぬお方で

ある。

「寶」は先生が長年の研究した陰陽五行の世界の至宝でありその真髄、太極の神秘が秘め

られてあった、先生の著書に「寶」が記されてない事は、それまでの諸本が、色あせ画龍

点晴を欠くのである

吉野先生のお話では、先生の著書の読者は全国で約2500人程であると言う!

この2500人は刊行には確実に計算できる、読者なのである!

私の解明した「寶」本に“大本において一点の非の打つ所が無い”!吉野先生に推薦の手

紙を書いていただいた黒川総三先生は、野におられるとは言え、並みの大学の先生など、

傍にも寄せ付けないお方である!

HPに吉野先生に宛てた黒川先生の手紙の下書き掲載した。

東大の某先生の、万葉歌の解釈を座視できず、以来何十年研究なされてこられた。

小学館の付録ではあるが、吉野先生と万葉集の研究論文が同席しておられる。

その黒川先生が私の「寶」を読まれて、富山県で10人理解できる人がいるか?と呟かれ

た!

49都道府県として約500人の世界!

吉野先生の読者が約2500人の世界

「寶」本は吉野先生の研究分野に、更に陶磁器の世界が加わる。

そうすると、私の「寶」本の世界は、その数値の世界と思われる。

解明時、私は美術、国語、歴史の高校の先生クラスが読んで戴ける、また理解できるよう

心がけた!

そのため、割愛した資料もある!

呆然自失の世界である。

県下で一二を争う進学校、元高岡高校の歴史の先生が、辞典を横にして読まなければなら

ない!と呟かれ、1ケ月後、私に困った!と言い!周囲に大変な事と話していた!と聞く。

また、中国史を専攻し、大学院を終了し、現在某大学の非常勤講師をするA君は、私の「寶」

本に反論できなかったと,肩を落とした。

・・・・・・・・・。

傲慢は承知であるが、この程度なのか!

まさに驚きである。

門外漢である各界の著名人の方々はいたし方無いとしても、中国研究に身を置かれる諸先

生方、美術館関係者の沈黙・・・・・・・・・・、マスコミの文化面の担当者にも中国史、

陶磁器に精通した人も多くいる筈!

この沈黙は何なのか

世の中この程度なのか

草柳大蔵様は日本を代表する知性のお方である。

BSテレビで草柳先生がお亡くなりになってから、追悼番組があった。

ノンフィクション作家の大宅壮一に見込まれ、記者を辞し秘書となり、大宅塾の塾頭とな

り、塾生の指揮を執られたと言う。

塾生が何度記事を提出しても、丸めて屑箱に捨てられたと言う、文章に対する厳しさは、

尋常でなかったという

「寶」のHPに掲載した、草柳先生の文面に無駄な文言は、一言も入っていない。

全てを見通したお言葉である。

文面の要旨は完璧である

取り分け驚かされるのは、「価値を学問で認められた」では無く、「価値を学問の“体系”

で認められた」とある

そして、「陶磁器製作の常識を遥かに超え、まるで異世界の貴品を見る思いがいたします」。

と続く!

研ぎ澄まされた文面、まさに現代の千利休、言葉も無い。

そして、NHK富山支局長に面談の手筈を指示されておられた。

往復の期間は12日であった!

訴状・添え文・写真・そして拙著「寶」を読み全てを理解・得心・喝破された。

草柳先生の書物に、日本を代表する陶芸家とも深い親交があった事が記されてあった。

京都藤井有鄰館・藤井善三郎館長は、一見して素晴らしい、素晴らしいを連呼された。

そして、どこまでも支持いたしますと!

宋代までは、請け負いますと!(世界美術全集に唐代白磁は宋代白磁と同じとある)

そして県下の某美術館長が藤井館長は雲の上の人と評しておられた!

館長の審美眼は“心で鑑”である

まさに4人の先生は日本を代表する知性である!

・・・・・・・・。

殆どは机上の知識学問、知識の審美眼である。

かって私の同級生の紹介で一流全国紙の新聞で文化部担当記者のA君に「寶」を見せた。

かれは中国に何度も訪れていた。

そして全国紙の2面全てを宋代の中国美術について任され、その知識業績を披瀝した。

知識学問の彼では「寶」は永遠に観え無い事を覚った。

自分で稼いだ命の次のお金で美術品を売買してきた。

加藤唐九郎の「永仁の壺」事件があった。

知識で見ては、心眼は開かない・・・・!

何より私は日本道教学会に怒りを覚える。

記憶に間違いなければアメリカのクリントン元大統領が中国を訪問したとき、中国は一切

唐代の様式で歓待した。

ことさらさように、唐代は中国5000年(私は沈黙の1000年を加えたが4000年

説が大勢である)文化の黄金期である。

しかも、唐代唐朝は道教が皇宗であった。

したがって道教の黄金期でもある

「寶」は、その道教の最高宝印である。

しかも印面には道教の最高法術と聞く隠形術で、道教の真髄、太極の神秘が秘められてあ

った。

その印面に記された文言は、唐代道教、最高宗師・司馬承禎である。

「寶」製作を勅令した皇帝は楊貴妃の夫、あの有名な玄宗皇帝である。

しかも玄宗皇帝は道教の洗礼をうけ、道教の最高位に就任した道主皇帝である。

世界の中華、世界の中心と自負した時代は、唐代年号天寶において無い

中国歴史上、これほど華やかな時代は無い

しかも神器「寶」は世界の覇者、象徴の宝器である。

中華帝国の年号を開元から天寶と改めたのは神器「寶」が焼成なったからである

道教史に特筆されねばならぬ、「寶」である。

まさに漢文化の歴史を覆す未曾有の発見なのである

それは「寶」発見にとどまる問題では無い。

道教史は勿論の事、唐代史・陶磁史・漢字学、中国民俗学、皇帝文化、易学その他漢文化

のあらゆる分野の塗り替え、見直しに迫られる事は必至の学問的大発見なのである。

その神器「寶」を考証、確認、研究せずして、道教の何を研究するのか?

信じがたい事である。

傲慢に放言するなら、彼らはマンモスの肌の皺、鼻の一部、耳、マンモス全体のホンの一

部しか研究していないのである。

時代も、生態も何も分かっていないのである。

驚き以外の何物でもでもない。

ノーベル賞受賞カレル博士は言う

「群盲象を撫でる」である!!

私は前三浦会長より順序、手順、敬意を払い、期間を設けて学会に問いかけてきた。

返答一切無く、会長が代わり筑波大学に席を置く、堀池会長からの返書。

私には、そのスタンスが理解不能である。

東大窪先生の返書は余りに稚拙で話す事は無い。

学会は真理探究の場である、信じられない会長の返書である。

史実、真理は一つである。

黒白は歴史が証明するであろう。

日本は国防、経済、教育に加え、文化の危機管理もなっていない。

平成のドンキホーテ・傲慢を断って傲慢に戦うしか無い。
                                           
                                                   以上
                 
                                   平成17年2月22日