易者経験

 

昼間学校へ行って夜働く

それで仕送りする・・・・・・・・

ちり紙交換と組み合わせて稼げる夜の仕事はないか?!・・・・・・・・

鍼灸の試験は9月か10月か記憶は定かで無い

私はその頃であろうか夜の新宿へ出た。

見るとビルの一角に小さな灯りを燈す易者が何人も目に止まった

そうだ易者をしよう

ヤクザのショバ代は?面白そうな易者に聞くと自分は払っていないと言う

私は昔、易に凝っていた

姓名判断、手相、人相、泉宗章ノ天中殺、四柱推命、星占い、その他

早速古本屋に飛び込み易関係の本を買い、手作りの資料を急いで作る

作成した資料は今も記念として取ってある

末尾のクリックにその一部を掲載する

易者らしく数珠に帽子、折りたたみのテーブルに布、持ち歩きのバックを買い込み完成

即夜の新宿・池袋辺りを転々とした

一番儲かったのは新宿の酉の市、その日は一晩で6万5000円稼いだ

記憶は定かでは無いが平均して一晩5000円程であった

ジングルベルが鳴り木枯らしが舞う師走のビルの谷間で、行き交う雑踏の足元をジッと見

つめる・・・・

暗澹たる混沌の時間を耐える・・・・何ともいえぬ気持ちでもあった

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短い期間であったがそれでもこんなに面白く貴重な体験は田舎では到底できない

恋愛・恋・病気・子供・その他諸々の相談・

ペテン師承禎・一応、真面目に占う

面白い話は山ほどあるが、今は先を急ぐ

いずれ「承禎の景色」で語る日もあるであろう

                    平成1918

 

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