『杜甫全詩集』@ABC

                 鈴木虎雄

 

杜甫の詩集4巻である

1巻約700頁近くの大著である

第一刷発行が昭和53年とある

巻末に訳者鈴木虎雄先生のあとがきにあたる一文が載る

淡々とした短い一文である

末は博士か大臣かと云われた頃の、学者としての真摯な姿勢に圧倒される

『大漢和辞典』の諸橋先生と同じく、大業を終えて淡々とした後姿が観える

私の「寶」解明は鈴木先生のような、先人のお陰で解き明かされたものである

今なお、杜甫の詩を楽しむ時間的余裕は無い

今一度「寶」の総点検に入り、ただ単に「寶」に関する記述を追っているだけである

只只、鈴木先生に敬意を表するだけである

ただ今、一巻に2日を要した、

「李白」「唐詩選」などにも目を通さなければならない

来月に跨るであろう

!!!!!!!!

時々、自分は何をしているのであろう?!と思うときがある

それでも前へ、前へ、進まなければならない

楽しんでいる余裕は無い

毎日毎日、自分の頭の悪さの、確認作業のようである

ホントである

!!!!!!!!!!!

人生とは何ぞや、!???????

未だ分からぬことばかりである

分からぬから、求める

一種の病気である

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平成20612

 

<参考>

巻一

@84頁   冬日洛城北謁玄元皇帝廟

A432頁 送従弟亜赴河西判官

注・神噐を天下と訳す。神噐=天下は間違いではないが、この場合「寶」である

巻三

146頁「憶惜」で開元〜天宝の時代を回顧している

     ●★★★★★

658頁・「寄韓諌議注」まさに「寶」の伝々

巻四

「詠懐二首」688頁

「胡雛(安禄山)神噐に逼る」とある

「舟中苦熱遣懐奉呈陽中丞通簡○省諸公」に神噐の語載る

いずれも天下と訳す

(老子曰く天下=神噐から引用)

注★他の漢詩で「天下」の言葉を探す

一巻に3

二巻に7

三巻に13

四巻に8

計31

であるから杜甫は「神噐」と「天下」をきちんと分けて詠んでいる

だから神噐は神噐、天下は天下なのである

著者には悪いが「神噐」の語訳は間違いなのである

神噐を天下と訳しては唐代の歴史が観えなくなる

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

学者、技術屋さんの陥るエア・ポケット

先生は平成承禎が歴史に登場する、場を残してくれておいた

感謝である

こう云う、善意の解釈をするところが、最近の承禎の進歩である

オホン

平成20614   確認作業3日間で終了、疲れた!