暴風雨(その4)

 

今日は元日

現在6時30分

少しずつ夜が明けてゆく

晴れわたる素晴らしい朝である

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・・・・・・・・・・・・先へ急ごう

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運命であろう・・・全ては血となり肉となってゆく

私は両親に謹慎閉門を叫んだ!!!!!!!!!!!!!!

それまで父親は生涯をかけて骨董品を収集していた

没落した高木家の再興を胸に20年近く全国を行商で歩き回り骨董を収集していたのであ

そして父親は収集した骨董品を誇っていた

当時父親は氷見市刀剣協会の役員・それ以前愛石協会の役員でもあった

知る人ぞ、知る・・・・・・・・・・恐らく町で知らない年配の人は少ない程であった

そのため私も子供の頃から骨董品と慣れ親しんで来た

脅しに来た事件屋も当然知っていた

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私は親を半ば脅すように蔵一杯の骨董品を運び出したのである

数で1000点以上であった

その骨董品を学生時代からの友人で島尾のA氏宅の倉庫に隠したのである

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それが後に正統相続人の兄の闘志に火が付き骨董の道に進ませたと、今でも確信的に思っ

ている

その事が何十年間兄と疎遠した決定的原因なのであった

また私が「寶」と出会い、執筆解明に没入した原因でもある

運命とは不思議なものである

このとき姉を必死に助けた事が、5年前の危機一髪、家業と私を救ったのである

全ては宿命であった

血の川の流れ・・・・・・・・・・・・・偶然の重なりとは到底思われない

天がまるでストーリーを描いていると思わずにはおれない

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人は自分で自分の運命を必死に切り開いているようであるが、孫悟空が觔斗雲(キントウン)

に乗って天上天下を縦横無尽に飛行しても釈迦の手の中であったと同じように、血の大河、

宿命の川を泳いでいると思わずにはおれない

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と振り返って思うほどに私の人生で義兄の事件は大きかった

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                              平成1911   元旦