『東方学会』

      池田温会長殿

前略

3月3日、池田会長の御返書確かに受け取りました

しかしながら会長の返書は私の「東方学会」への申し入れの御答えになっているとは到底

申せません

私は池田会長個人の感想を求めたものではありません

『東方学会』を代表する会長宛てに、「寶」に対する公式の見解の申し入れを致した所存で

     『東方学会』の設立目的は外務省所管のもとにアジア諸国の民俗・思想・哲学・考古そ

の他を研究し諸国の文化の進展に貢献、云々と掲げた「財団法人」です

差し出した返書は当然会長のお手元には無いと存知ますので、コピーし御返送致しますの

で、失礼ではありますが、今一度読み返し精査の上、学会としての正式返書を願い申し上

げます

会長の返書の要諦箇所を蛍光ペンで印しておきました

ご返書原文によると

     @中国歴史博物館が清代石印とあり、小生は目下この中国専門家の所見に同意します

     A小生は印章、篆刻には門外漢で陶瓷にも暗い

     B該印を唐玄宗時代とする“思い込み”には賛同できません

     C材質について陶磁か石かは門外漢で専家の検討に従うばかりとの事

骨子は以上でありました

@ABC全て会長の個人的ご意見であります

★@に関し御反論申し上げます

改訂「寶」本また書状でもお伝えした通り、中国故宮博物館は現物の「寶」を直接手にし

て鑑定した訳ではありません

改訂「寶」本の中国故宮博物院返書の後に、日本国内で日本を代表する博物館長その他幾

人もの諸先生に直接拝見戴き、判定を終えている事が載っております

会長が中国専門家の所見に同意するとの返答の根拠が私には理解できません

そして同意するとのお答えの後に★Cの専門家の検討に従うとの下りは、@と殆んど矛盾

に近いお話です

     Bの唐玄宗時代とする“思い込み”に賛同できない!との、具体的史実の根拠もお示し

無く、私には全く理解できません

     A印章・篆刻・陶瓷は門外漢で暗いとの事

私として会長個人の感想、所見をお求めしているのではありません

2000余名と伺う『東方学会』の公式声明、見解をお願いしているのでございます

陰陽五行思想研究における日本の第一人者のお一人吉野裕子博士、中国若手ナンバーワン

の王敏女子、中国美術工芸の収蔵で世界的に有名な京都藤井有鄰館藤井善三郎館長、元道

教学会会長桜美林大學野口徹郎名誉教授、NHK経営委員会座長・故草柳大蔵先生他、雲

上人の賛辞の書状は既にお送りした通りで御座います

また『日本道教学会』の一片の返書と私からの学会への内容証明書もご確認の通りです

会長に差し上げた書状2通に認めました通り、真偽が白日となった暁は、世界遺産とも申

すべき世紀の「寶」です

一応「寶」の真偽は現時点、横に置くとしても、これほどの漢文化の歴史を根底から覆す

かもしれない世紀の大騒動です

私のみならず、戴いた会長の返書で済ます事が出来ない事は明らかであります

会長はご高齢でインターネットを駆使しておられるか分かりませんが?!『日本道教学会』

との往復書簡その他全て世界に発信されております

また『日本中国学会』への書状も同様であります

当然これらの書状も一定期間を置いてから掲載し世界に発信されます

世界に漢文化の歴史研究者がおいでます

「寶」解明発掘を知らず空しい研究書が続々刊行されております

著書は諸先生方の“命”宝であります

私として世界にお伝えし真偽を問い、インターネットで、リアルタイムにお伝えするのは、

歴史的責務であります

また「寶」解明に15年の年月を消費いたしました

池田会長の御返書で到底納得出来るものでないことをご賢察願います

なお陶磁器部門の日本最高学会『東洋陶磁学会』から先日常任委員長名で、常任委員会で

対応を検討する旨の真摯なる返書が届きました

全てお送りした「寶」のHPに載っております

御検証願います

お里の知れる不調法者です!

非礼の段々幾重にもお詫び申し上げます

生みの苦しみと茫々たる日本海を眺めております

取り急ぎ、会長に今一度、衷心より請願するものです

不乙

平成2033

 

同封

池田会長返書コピー

(★即日、速達・配達証明にて郵送)