ささやかな宴

 

少し記憶が曖昧になる

獣が遁走した後であることに間違いは無い

再建に狂奔している頃でも無い

藤井有鄰館に贈ったと、ほぼ同じ額が事務所に掲げられてある

「寶」を押印し、そこに私の書いた「太極」の文字を添えた

その額が世界的にも有名な美術館の一室に掲げられた

額に日付が載っている

ささやかな祝いの宴が開かれた

場所は「ひみ浜」であるから、再建から2年程経った頃、恐らく4年程前であろう

そして、駆けつけてくれた皆が、私に10万円の旅行券をプレゼントしてくれた

その旅行券は、まだ使っていない

この6年半、時間があるようで私になかった

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サラリーマンの世界と違うのである

外は暴風雨

この氷見で自殺者、倒産が相次ぐ

先月も一緒に祝ってくれた戦友H氏が命を断った

酒を飲んでいても、カラオケを歌っていても、私の心は、深い闇と、荒れ狂う窓の外を凝

視していた

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平成191211