『大漢和』と諸橋先生

 

予備調査の準備期間を除外して、本格的解明執筆に取り掛かった期間は7年間であった

その7年のいつ頃『大漢和辞典』を購入したのか定かでは無い

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新築の4畳の部屋で則天武后と戦っていた時『大漢和』は手元にあった

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第1・2回の小誌に則天武后は無い。だから終盤に購入している

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黒川先生にお世話戴いた

お金は別れた妻の本性を見抜いていた大兄能田さんが私を気遣って100万円戴いたその

中から買った

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壮絶な戦いの中で私はある日この『大漢和』を成し遂げた諸橋先生を超えなければ「寶」

の全容解明は無理である・・・・と途方もない考えに立ち至ったのである

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文化勲章を貰った東大の名誉教授を超える

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ある晩、私は『大漢和辞典』を全て綴じて、そして目の前に積み上げた

そして座禅を組み

沈思黙考

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諸橋先生がこの辞典を完成した時、何を思い?何を感じたが?

漢字とは何か???????????

諸橋博士の到達した世界

いや「承禎」の名を拝命するのである

諸橋博士を超えなければ・・・・「寶」の全貌解明は為し得ない

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真夜中の四畳の部屋で、深い瞑想の闇に沈んだ

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どれ位の時間であったか定かでは無い

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半眼の目の前に『大漢和』がある

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一瞬、閃いた

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私に分かったのである

諸橋先生が何を思い何を感じたか

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漢字そのものの本質が、分かったのである

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悟りに近い感覚であった

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夜の四畳で叫びに近い声をあげた

!!!!!!!!!!!

勝った!超えた!!!!

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まさに感動であった

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一気に道は開かれた

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躍り上がる感情を抑え切れなかった

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裏口から抜け出し川辺を歩いた

星が瞬く冬の夜空であったのを今も鮮明に覚えている

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                                         平成191016