親孝行・子孝行

 

式部が腰を骨折した

朝日山ケア・センターから、一晩だけ帰って来たその晩、店のシャッターを閉めようと杖

をついて、玄関まで行こうとして、途中階段のスロープで転倒し、骨折したのである

飲み屋から帰る途中、ユウコが車で通りかかり、式部のいる店まで送ってもらった。

予感・虫の知らせ、何となく気になったのである!!!

夜の8時頃である、もし気がつかずにいたら低体温・孤独死・いや放置死で死んでいただ

ろう

参った

先祖に言い訳が立たない

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痛い痛いと唸る声も無視!!!!ユウコと二人で何とかベッドに戻した

翌朝、中村記念病院に即刻入院である

過去10年、式部は5・6回は入退院を繰り返したが、その都度、ヘキヘキである、

入院の為の用意、バスタオル、タオル・バケツ・コップその他の洗面用具、着替えの下着・

紙おむつ・テッシュ・パジャマその他の用意・調達のドラックフジイなどへの買い物

そして面倒な入院の為の書類記入

レントゲン・心電図・血液検査・その他の検査結果を聴いて、手術するか否かの選択

通っている朝日山ケア・センターへ、ストップの連絡などなど・・・・!!!

そして二日後手術を前提に氷見市民病院へ転院する

退院手続き、清算そして荷物の移動、

そして再び、中村記念病院と同じく市民病院の入院手続き

看護婦や看護師が説明してくれるが、準備や書類の記入など承禎では無理

取り分け承禎は、めんどくさがり屋、これまで通り、全て有能な事務兼、用務員兼、介護

士の山下の役割である

外科の先生の説明では、内臓全機能が総体的に限界、極度に低下して、現状では手術は無

理、輸血をして体力を回復させても五分五分以下の状態と云う

兎に角、しばらく入院してそれからの判断との事である

もしもの場合を考えて、慌てて母親の自宅の整理整頓、片付けに掛かった

万一の場合のセレモニーセンターの手配は既にしてある

葬式の時の、喪主となる挨拶文も相当前に、既に作成して有る

式部の自宅の整理整頓は、山下・亮・角・ヒロノリ・そして自分と5人で一昨日から取り

かかった

大型トラック一杯の荷物を・可燃物のナイロン袋に小分けして入れる

昨日と今日そして火曜日に70%は終える手筈である

承禎は総て先手必勝である

しかし飲み屋でそれを話したら、そんな手まわしよくしたら、逆に死なずに二三年延びる

ケースが多いと云う

ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

参った

そうそう、これまで朝日山ケア・センターに2日行って1日休んで3日泊るサイクルであ

センターへも着替え、その他一式持たせている

交換の洗濯その他チックは事務員である

一ケ月の薬も中村記念病院に取りに行って持たせる

帰宅時の朝食は、近所の人にお願いして有る

承禎では無理

全てお金で解決している

それでも諸々気を使わなくてはならない

旅行するときは、まえもってケアセンターと日程調整。などなど・・・・

親孝行は十二分にした

姉・兄嫁がいるも約10年、介護費用・入院費用全て承禎である

マア二人とも石川県で有る

よくよく考えると、日本中の息子や娘が介護している

介護疲れで父母を殺す例も新聞報道にある

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諸々大変である

承禎は恵まれている

母式部が手のかからない人であった事も幸いした

よくよく考えると、手のかからない母である!!!

承禎の親孝行より上回る、子孝行な母式部である

母式部の口癖は、『有難う御座います!!!』『南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、』と常に言葉に

する。感謝・感謝の言葉である。

式部の尊敬する事は他人の噂話し、悪口を一切話さない事である

生涯他人の悪口を云った事を聴いた事がない!!!

そのことを、身近な人以外の複数の人からも聞いた!!!!

承禎より遥かに人間修養が出来ている

恐れ入る

それはいいとして、式部をあの世、浄土へ送り届けねば、前へ進めない

ナミアムダブツ・である!

先祖と、御釈迦様に、手を合わせ、祈る気持ちである

心の中で式部、充分であろう

先に逝った、父正俊・兄・妹が待っているぞ!!!

承禎の心の整理は既に終えている!!!

平成2727