富山県近代美術館

 

昨日友達4人で山種美術館所蔵の日本画展が富山の近代美術館で開催されているとの事で

車を飛ばした。

私のお目当ては、東山魁夷画伯の大作波の絵である

私は昔から魁夷のファンである

亡くなられた昭和天皇も魁夷のファンと何かの雑誌で読んでいた

だから皇居にも魁夷の大作が飾られてある

日本に仏教を伝えた盲目の鑑真和上に捧げた唐招提寺の襖絵は有名である

私は読んでないが確か松本清張の「ゼロの焦点」で有名な能登の巌門の風景が描かれてあ

る!

横長の岩に砕け散る波の絵は華麗で海の豊饒を目の当たりにする大作であった

以外何十点の大作を楽しんだ

一代の風雲児、山種証券会長の精神世界が見えてくるようであった

会長の蒐集世界は私とそんなに差異は無かった

 

相当昔・・記憶では新築なった頃であろう、ここへは一度訪れている

昔見た2階の常設作品、アートを見て回った

正直疲れた

ピカソ、ミロその他印象派の絵画、その他、造形アート群である

私の美の精神構造には、殆ど響かない異世界である

見て回って私は変態でもなければ、異端者、悪趣味でもない、ノーマル、常識人間である

事をあらためて確認した(オホン)

しかしこの作者達は写実画を描かせても写真ほど精密に描く事の出来る芸術家達である

そんな彼らが、往きついた果ての美?!精神世界なのである

グロテスクともいえる、極端にデフォルメされた人間の顔は、彼等の心の目で観る顔であ

り人間像なのであろう

浅田次郎の『壬生義士伝』に書かれた“女は糞袋”との表現の世界に通ずる

自分の脳構造はファンタジーな美の世界、表面しか見えないから、女に騙されるのか?!

作品を見ながら、頭が次第に朦朧としてゆく中で、そんな事が頭をよぎった

恐らく近代美術館へは二度とこないだろう

それにしても富山県は、何十億円?いや軽く百億以上かけて良く建てて収蔵したものと感

心した

作者も苦悩の果ての作品、収集した富山県も今では苦しい台所事情、来館者も頭が朦朧と

するほどの苦しく混乱の観賞・・・・・3者3様の苦しみ(笑い)

 

恐らく常設近代画の運営は完全に赤字であろう

そのため、会館の趣旨と全く別世界の日本画展を催したのであろう

心の中で見て回る順序が逆なら良かったと後から後悔した

楽しい半日であったが、兎に角疲れた

参りました

 

追加

私の夢の夢の、そのまた夢の中の、最高の贅沢を打ち明けよう

唐招提寺の魁夷の描いた襖絵に囲まれ、加藤唐九郎の黒楽の茶碗に日本酒をなみなみ注ぎ、

アチャコの膝枕で、満開の桜咲く庭で演じられる、薪能を見ながら、そしてウトウトする

これぞ結構、まさに最高であろう

こんな事を夢見るだけでも、人より贅沢、果報を通り越してアホである

窓の外、東平蔵ご苦労である!!!

平成1998