故能田辰也・その16

 

私の大兄であり終生の師である

また命を削って我が家の惨状に当たって戴いた

私と我が家の大恩あるお方である

その大恩人との約束を別れた妻は全て反故にして遁走していった

大兄は妻の傲慢狡猾強欲、美面を被った獣、金だけの人間性を全て

見破っていた
!

「寶」の最終追い込みの時と記憶しているが、妻は私を兵糧攻めにした

大兄は「カラ雑巾を絞られている」と私を笑った

そしてある日事務所の二階へ来て、原稿に向っている私に「黙って受け

取っておけ」「何も
言うな」と封筒を私のポケットにネジ入れた

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私には即座に分かった

封筒に100万入っていると・・・・・・・

「何も言うな、わかっておる」

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そして階段を降りていた

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黙って受け取るしか術はなかった

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その後も息子のために300万円を融通して戴いた

領収書も無しに・・・・・・・・・

原因は妻が息子のためのお金すら出さないのである

そして妻は周囲の人間全て、いや二人の子供まで欺き遁走していった

今日現在も、欺いている

妻の事は間接的に書いても、HPには書かないつもりであった

しかし今、キュリー夫人の小説を読んでいて、書く気持ちになった

彼女は結婚したり子供を産んではいけない牝であった

私は子供達にすることはした筈である

子供達に謝る事があるとするなら、彼女と結婚した事である

若気の至り、慙愧にたえない痛恨事であった

机の前に今も大兄の遺影がある

千回生まれ変わってもお会いしたいお方である

彼女はその反対、これで玄宗の清算である

「寶」解明は大兄無くして無かった

平成19718