★★★

『道教の世界』

菊池章太(きくち・のりたか)

著者は東洋大学教授で文学博士

1952年、生まれ52才である

著書の参考文献の欄に寶本をお送りした諸先生の名が並ぶ

著書は題名の通り「道教の世界」を解説している

マア気の遠くなるような混沌の世界を書いておられる

読んでいて「道教の世界」を広く浅く、である

私も過去どれほどの道教関係の本を読んできたのか分からなくなってしまった

それでも、新しい道教の本を見つけると、性懲りもなく手にしている

そして「寶」に関係することがあるか?!と読み進む

失礼ではあるが、この先生も良く勉強はしているが、道教の世界の上っ面しか勉強してい

ない

「寶」は知らなくても、道教の黄金期唐代について殆ど踏みこんでいない

道教の大宗師、司馬承禎も本の中に出てこない

「道教の歴史」ではない「道教の世界」であるから仕方ないか!

「寶」本を送ってあげようと思ったが、また徒労に終わるだろうと思い、止めた

147頁日本道教学会の窪徳忠東大名誉教授の事が書かれてある

著者と窪氏との親交に触れてある

昔、窪氏の『道教史』を読んだ

しかし何の得るものも無かった

窪氏は私を支持する吉野裕子博士と確執があった

承禎は窪先生に内容証明郵便で「寶」の是非を問い質した。

そして窪氏は遁走した

既に亡くなられておられる

東大の名誉教授である著書159頁〜162頁まで、日本における中国研究者の対中国に

関するスタンスが書いてある

相当大雑把であるがおおむね分かった

津田左右吉の名は知っていた

私も中国は嫌いである

嫌いだから知りたいと思う

民間信仰としての道教は著者の指摘する通り、淫祀邪教(いんし・じゃきょう)で、不毛

の学問と云っても過言ではない

道教の歴史の中で、唐代の司馬承禎だけが、宗教の本質をこの「寶」説いている

★マークをつける内容ではないが、日本における道教研究の歴史と現状が分かって★3ツ

とする

平成24311

 

●注・166頁6行目「もともと主観的で実戦的ないとなみから?はじまっている」とあ

「実戦的な営みから」?「実戦的な、いとなみ」?

「実戦的でない、いとなみから?!」?承禎読解力が中学生並み、理解難渋混乱