刀剣展

武蔵の本を読んで、思い立ち、県立水墨美術館の名刀展を見に、車を飛ばした

バブルの一時期、富山県刀剣協会に入会していた

私の父親も氷見市刀剣協会に入っていた

我が家には、先祖伝来の刀、大刀・少刀それに短刀があった

刀の銘は忘れた

無銘では無い

その刀が祖父の背後の床の間に静かに置いてあった

そして祖父・光則はその刀を一年に何度か、打ち粉

を打って手入れをしていた

子供心に、祖父の真剣そうな眼差しが何とも格好が

良かった

祖父が亡くなった後も父正俊が手入れをしていた

今もその刀は蔵に眠っている

そんな訳で、とりたてて好きではないが刀には少々

縁がある

久しぶりの水墨美術館である

この水墨美術館は全国的にも一流の美術館である

中沖知事時代に建てられ、私は知事の第一等の功績と

評価している

それはともかく、国宝・重要美術の刀剣が厳粛かつ

整然と展示されてあった

刀剣の愛好家は絵画や陶磁器とは違って少ないが、

絶対的ファンもいる



日本刀は世界に誇る美術品である

やはり会場にはいると、殆どが9割が中年以上の男性である

30代の若者は一人二人である

その中で、70代の福島の男性は朝5時に立って車を飛ばして来たと云う

これだけの名刀が一堂に集まるのは希(まれ)であると云う

しばし、そのお方と一緒に20点近くを見て回った

その方のもの凄く詳しく解説に聴き惚れていた

さすが、日本武道の盛んな福島県人と感心して聞いていた

やはり福島は日本人の魂の砦の感を一層強く持った

あらためて西郷頼母の家訓が思いだされた

それはともかく、刀剣はそれほど好きと云う訳ではないが、一流に触れる事は、

心を昇華させる

帰りは、茶室に足を運び、久しぶりにお手前を一服味わった

胸を痛めている事がある・・・・!また「寶」の返事を待つ間の、心の波風を沈静させる

しばしの一日であった

小学生の頃、我が家の刀で、空中の蠅を切れないかと、真剣を打ちおろしていた事が

脳裏を横切った

部屋の障子紙を刀で切って切れ味を味わっていた事もある

父親は一度も叱らなかった

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刀一つで、色々な思い出が駆け巡る

平成23106