一月の歌

 

 

実家の縁の下に亡き父親の履く予定であった下駄を昨年の初めころ見つけて持ってきた

父親はこの下駄と同じものを履いて行商にいった

帰ってきたころは下駄の歯が、すり減って無い程であった

考えたらどれくらい歩いたのか分からない程である

父親も一生懸命働いた

この年になって漸く分かる

分かるころには父親はいない

何一つ親孝行は出来なかった

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酒飲んで事務所に帰る

雪道に自店のネオンが見える

一生懸命頑張ってくれている

頼もしく思える

平成23112