★★★

『1Q84』三巻

             村上春樹

9日ユウコが昨日、私の前で読み終えた

ユウコが三巻である

奇跡的である

「日本東洋陶磁学会」の最終期限が15日である

それまでに読み終えたい

返事を待っているのも忍耐、読むのも忍耐である

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簡易な文章を装っているが、なかなかどうして、巧妙かつ、シツコイ!!

読み手を焦らし、嫌がる牛の鼻面をもって、 嫌がる牛を引きずりまわすような文体であ

ハラハラドキドキでも無い

私に取っては大きな期待を抱かせる内容でもない

それにしても挿入された比喩には驚かされる

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兎に角セッカチな私に全く合わない小説であるが、三巻まで来た

二巻で放棄するのも惜しい

仕方が無い

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202頁、最期の行「韜晦」「とうかい」(自分の地位や身分、本心を隠すこと)の語句が

挿入されている

言わんとする事は、分からないでもないが、唐突で場違い、違和感すら覚える

ピンクのスーツのボタンが一個取れて、他のボタンと形も大きさも色も違うボタンが縫い

つけられたような感じである

マアそれでも、教養の豊富さに驚かされる

プロの作家でマスコミがノーベル賞候補と噂する村上氏である

小説全体は、美術館の壁の一面全体に飾ってある大作のパッチワークか刺繍で、しかもも

の凄いきめ細かさである

一定の決められた趣向で完成した芸術品のような感じである

その丹念さと、きめ細かさは驚嘆に値する

イスラム圏。そうトルコ絨毯の精密な織柄を彷彿させる

しかし分厚い絨毯ではない

自分はパッチワークやトルコ絨毯に興味は沸かない

違和感がある

趣味の問題であろう

とにかく疲労困憊である

ただ、ノーベル文学賞クラスの著書はどんなものか頭と体で知りたかっただけである

記憶では同じノーベル賞の大江健三郎氏の本は嗅覚的かつ生理的に合わないので間違いな

く読んでいない

川端康成は昔、何冊か読んだ

三島由紀夫も候補に挙がっていた

これも何冊か読んだ

この本は村上氏の生涯の代表作である事は間違いない

しかし兎に角私には文学やフィクションは合わない

それでも、一行も飛ばさず読み終えた

胸が圧迫され喘ぎ喘ぎながらも急いだ

何故か?!

明日15日は「日本東洋陶磁学会」に申し入れた最終日である

文化庁斉藤氏に差し出す最後通告文のあらましは、その間アラアラ認めてある

約20年の承禎の世紀末戦争の開演である

私に村上氏程の才能があったとしても、「寶」に費やした労力と内蔵された歴史的重みは比

べ物に無いくらい「寶」が文句無く上であろう

それを確かめるべく、読み終えた

入力は明後日の予定である

1014日15時18分

平成221014