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「信長の魅力」

 

古本屋で手にした

作家12人の信長の人物観である

私は信長の本格的歴史小説は読んでいない

しかし映画は昔、中村錦之助主演を見ている

また山岡荘八の「徳川家康」にも登場している

秀吉物でも信長は登場する

テレビでも誰かのを見ている

その他雑誌でも折に触れ読んでいる

だから今更、信長を読む気が起きない

それでも、著名人がどのように信長を見ているか興味が沸いた

そうそう信長は叡山焼き討ちもしている

桶狭間の戦い・楽市楽座・長篠の戦・鉄砲軍団・安土桃山城

本能寺・茶席、色々ある

津本先生と石原慎太郎の対談が載っている

津本先生の新しい信長像の小説は読んでいない

私は戦略戦術家としては信長・秀吉・家康のなかで秀吉が一番と見ている

いずれ書くこともあるかも知れぬが、少しだけ触れておこう

信長と家康は、現代で云うなら中小企業を経営する実業家の家に生まれた

勿論、現代のような二代目三代目の甘ちゃんのお坊ちゃんではない

何時倒産するかもしれない激動の時代、まさに戦国時代の跡目である

バブル崩壊かリーマン・ショクに襲われた中小企業の跡取りと同じである

中小企業と言っても現代なら東証二部あたりの会社であろう

それはさておき、秀吉は現代で言えば、裸一貫で日本一の会社の社長なった男である

今で言えば、中卒が東証二部の会社に入社して、並みいる大卒を実力でゴボウ抜きして出

世した

東証二部クラスであるから、光秀のような東大卒もいる

しかし大卒の常識人、机の上の秀才など考えもつかない奇策とアイデアで、のし上がって

いった

それを見逃さず登用した信長も偉い

天真爛漫で人の心を掴むのが上手である

そして、敵の腹を読む術は信長、家康よりも上であった

極め付きは、上洛せぬ家康に対し、確か自分の姉の旭を家康に嫁がしている

更に自分の母親をも、家康の所へ行かせている

事実上天下人の秀吉が家康に人質を差し出したのである

これには家康も参った

家康の性格を読みきっての、人質の差出しである

秀吉の腹を括った仕掛け、ウルトラCの心理戦争である

家康は虚を突かれたのである

家康よ、お前にコレだけの度量があるかと、迫ったのである

万一家康が人質を盾にして、戦争すれば、錦の御旗が立てられない

そうなれば、秀吉軍が一致結束、火の玉となって徳川勢を殲滅したであろう

家康は遂に折れた

これはこの本に書いてない私の人物評価である

いらぬ事を書いた

それでも、秀吉の最晩年は哀れであった

歴史にifは無いが、漢武帝のように、淀を道ずれにしておれば、歴史はどうなったか

女が政に口を出したら国が乱れる元凶である

まだ色々あるが、この本の感想はここまで

ねばい○ちゃんのために、秀吉論を少々付け加えた

書中の「自由主義経済の先駆者」はなかなか面白かった

12人、それぞれの信長観勉強になった

しかしこれほどの一級の人達でも「寶」解明は無理であったろう

そうそう焼物に造詣の深かった信長なら、「寶」を喝破したかもしれない

信長は門外不出の正倉院の香木の一部を所望している

「寶」は正倉院にあった可能性もゼロとは云えない

また鎌倉五山からの寄進も考えられる

この「寶」は前田家に伝わったもの、ヒョットしたら信長から拝領した可能性もある

歴史の綾、謎である

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平成22716