帰国前日

 

とうとう別れの前日になった

その日は二人でココスで静かにコーヒーを飲み、そして食事した

二人に殆んど会話は無かった

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あっという間の半年であった

エラーは家族と会える喜びと、別れの辛さと複雑な感情が入り混じっていた事は私には痛

いほど分かった

二人とも窓の外を見ながら、とりとめの無い会話をしていた

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そしてココスを出て、何度もドライブした二上山へ車を走らせた

仏舎利塔の伏木側に海を一望する絶好のスポットがある

明日は見送りに行かない!!!

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今日でお別れ!

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その日彼女は真っ黒のサングラスをかけて来た

その黒のサングラスから幾すじもの涙が流れ、頬が濡れていた

ノー・フロゲット・忘れない

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帰ったら手紙送る

だから手紙欲しい、                                      

私は答えなかった

エラーは私の手を握って放さなかった

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あたりが夕闇で暗くなって、星が瞬く

町の明かりも星の洪水となった

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ミスタータカギ・グレート・ハラショ

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サンキュー

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無言の時が重苦しく

キーを回す!

車はゆっくり山道を下った

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ドス・ピタニア!!!

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「さよなら」であった

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                           平成2232