タバコの半チン

 

式部の兄・実家の長男が東京に移り住んだことを話した

私にしたら叔父さんである

東京の葛飾区で、屑鉄屋を始めていた

当時結構、繁盛していた様子であった

式部と私と姉妹それに次男の従兄弟達と東京に遊びにいった事がある

そこえ一時期、祖父と祖母が、身を寄せていた

私の父親は炭屋を営み、式部は呉服屋を営んでいた、

その関係もあって、夏近いのにお店には絶えず練炭が焚かれていた

練炭の焚かれた火鉢はお店の中心で、火鉢を囲んで商談や世間話である

男性客はタバコを吸う

一日に両の手に一杯に余る程の、タバコの吸殻が貯まる

式部は私に、そのタバコの半チンを、毎日大きめのバケツに集めてくれないか!!??と

云う

私は金箸で半チンの灰を落とし、夕方になると毎日回収し、火鉢の灰を明日のため綺麗に

均していた

半チンが沢山貯まると、大きなナイロン袋に纏める?????

今の生ゴミのナイロン袋より大き目の袋であった

3袋貯まったある日、式部はそれを梱包しているのである

どうするの????????東京の父親に送ると云う

ギァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ

子供心に恥ずかしい

ギャーーーーーーーーーー

であった!!!!!!!!

参った

私は思わず母親に新しいタバコ買って送ったら!!!・・・・・・と云わずにおれなかっ

ホント

母親は子供の私の意見など、委細かまわず送った

     ・・・・・・・・・・!!!!!

当時、呉服屋は完全に軌道にのって、それぐらいのタバコは買える状態であったことは、

子供の私でも分かった

     ・・・・・・・・!!!!!!

子供心に言葉が無かった

恐るべし式部

参った

平成2227