紙縒り(こより)と祖父

 

祖父は紙縒り(こより)を作るのが上手かった

その紙縒りを七夕の短冊に通し結ぶのであった

私が何度作っても祖父のようにはゆかない

祖父の紙縒りは細くて、先端が針のように鋭利で、そしてピィーンと芯が通っている

何十本作っても、同じなのである

だから千枚通しで開けた穴に簡単に通せた

私の紙縒りは、蛇が何個もの卵を飲み込んだようで立てるとフラフラ曲がる

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この年になってようやくその原因が分かった

祖父は村役場の書記官をしていた

今のようにホッチケースなど無い時代である

そのため、書類を閉じるのに、紙縒りを毎日縒り上げたのであろう

注意力、集中力・根気の欠如したセッカチ性の私を何とかせねばと、根気良く教えたこと

が、今になって納得した

変な事を思い出す

私は完全なおじいちゃん子であった

 

平成2212