隠れ家とハンモック

その@

市民会館の裏側にプラタナスの大木が朝日橋から田町の橋までの間に何本も並木としてあ

った

そのうちの、一番端の一本は斜めに育ち、我々の格好の遊び木であった

生い茂ったプラタナスの葉が、夏の暑い日ざしを和らげる

その一本のプラタナスの二股枝に、縄で網を編んで、ハンモックを造るのである

そこが、自分の特等席、隠し砦なのである

プラタナスの生い茂った葉陰の中の自分だけの秘密の砦であった

ブラボーーーーーーーーー

そのA

上日寺の裏山に小さな祠(ほこら)があった

祠に行く道は氷見高校に行く近道、山道でもあった

その祠の近くに、皆で秘密の砦を造った

草を刈ってアーチ状に空間を作り、枯れ草を敷き、他から見えない秘密の空間を造った

親にも内緒、敵の町内のものにも分からぬ、我々の秘密の砦であった

そこで各自のネグラを作っていた

子供心にワクワクしたものである

平成21126