いい女そのA

 

その女性の話はこの熱風録32「試験と不動産会社勤務」で少し触れた

東京での話しである

そう35番の「ちり紙交換」で書いた大晦日のトラックの荷崩れの後、銭湯へ行った

東京に出て、ひばりケ丘で最初に道を聞いた女性であった

彼女とはそれまで何回か会って、色々東京の話を聞いていた

その彼女と10時頃であろうか、銭湯の帰りバッタリ出会った

アパートに寄っていかないかと言ったらアッサリついて来た

男と女である

自然のなりゆきで、最後の一線近くまで進んだところで、彼女が私に必死に哀願した

忘れて欲しくないからそれ以上は駄目と

貴方にはこれからも沢山の女性ができる

そうしたら、私の事を忘れてしまう

絶対に忘れて欲しくない・・・・・・!!!!

だから何をしても良いから最後の一線だけは許してと拒むのである

彼女が帰ったのは明けた元旦の2時頃であった

髪の長い年上の美人であった

子供がおらずカナリアを飼っていた

会えば思い出が壊れる

苦労した、いい女の必死の哀願であった

20年経った今もどうしているかと思い出す

平成19127