最後の書状

粛啓

長い道のりの果てに、御便りをさせて戴きます。

先生の『絢爛たる世界帝国』隋唐時代の著書を手にし、

同封拙著、新旧「寶」本を御届
けせねばならないと、歴

史的責務でキーを叩いております。

先生が富山大学にも席を置いておられた事を知り、もう

少し早い段階で御便りをしておけ
ばと、悔やんでおります。

さて先生のみならず史家にとって各位の研究書は“生き

た証し”であり「命」と
存じます。

その「命」である先生の歴史書が、遠く無い将来、明白

に「糟糠の書」となるとしたら、
史家として座視できるで

しょうか。?!


先生の著書末尾の「紹介欄」に中国唐代の「政治」「経済」「文化」が専攻とあります。

唐突で驚かれるかと存じますが、同封、拙著「寶」本、冒頭に載る写真「獅子・陶印」は、

その、中華4000年文化の黄金期、唐代の「政治」「経済」「文化」に深刻かつ絶大な影

響を及ぼした唐朝の神噐・太極「寶」であります。

お忙しい先生ですので、掻い摘んでご説明いたします。

この獅子陶印「寶」は、唐代道教、茅山派12代宗師、司馬承禎の奏上により、あの有名

な玄宗皇帝の勅令により、開元〜天寶元年までの30年を費やし完成なった唐朝の神噐

「寶」です。

日本最大の『大漢和辞典』に載る史上唯一の神噐「寶」はこの獅子陶印であります。

この手の平に載る高さ11cm足らずの獅子陶印を、開元〜天寶の30年(印面太極の韻

文篆刻に約2年)を費やし焼成なり、年号を「天寶」と改めたのであります。

年号「太極」はこの「寶」に因むもので、開元〜天寶の30年間、延人員何千万人を動

員して焼成した奇跡の唐白磁です。

伊勢神宮の「御神体」同様、唐朝の宗廟「玄元皇帝宮」に安置され、「寶」が神噐であっ

たがため、1300年間、歴史の闇でありました。

その神噐「寶」は「安史の乱」で強奪され、以後歴史の藻屑に消え、今日まで一切不明

でありました。

神噐とは『大漢和辞典』には天下の覇者、天子皇帝象徴の器で、安史の乱は、まさに神

噐「寶」争奪戦でありました。

詩聖杜甫が、賊軍に神噐が強奪された史実を、今も叙事詩で取り戻せと叫んでおります。

唐朝の神噐・太極「寶」の解明・発掘により、史上初めて中華4000年文化の黄金期・

唐代の真の歴史の扉が開かれたのであります。

神噐「寶」発見により、唐代史・道教史・陶磁史、は勿論、先生が専攻される唐代の「政

治」「経済」「文化」全てに亘り、根本的見直しに迫られております。

「開元」の前年「太極」の年号は、この獅子陶印「寶」に彫られた、九文字、奇跡の「太

極」の文言に起因するものです。

「太極」の文言は未来の超スーパーコンピューターでも創造と解析は不可能な驚愕の文

言です。

陶磁器としても奇跡を期待するしか術の無い未曾有の陶白磁、そして奇跡の文言「太極」

の九文字です。

まさに奇跡と奇跡が合一された、世界ナンバーワンの「寶」と云って過言ではありません。

なぜこの九文字が「太極」奇跡の文言かは、「寶」本に詳しく解明してあります。

前述のとおり、この「太極」、奇跡の文言を考案したのは、則天武后・睿宗・玄宗三代の

皇帝に拝謁した道教茅山派12代宗師・司馬承禎です。

釈迦・老子・孔子、東洋の三聖人をも超えたと自負する司馬承禎は己の偉業一切を歴史

に秘したのであります。

印面の写真を見ていただければわかりますが、神噐として奉納される奇跡の文言「太極」

は当然、何万人の陶工達の目に触れてはならず、焼成の後、唐代一の篆刻師により、刻

されたのです。

そしてこの「太極」の文言を鎮護するのは、唐朝の皇宗道教開祖の一人、黄帝伝説に由

来する言葉を話す神獣「白澤」です。

唐代遣唐使が持ち帰った正倉院文物は中国皇帝の紋章「龍」を獅子文物が75対10で

完全に駆逐しているのはその証左であります。

即ち、中国は勿論、東南アジア全域に伝播した獅子文化は、玄宗皇帝の守護神、この神

噐の「白澤」が基です。

先生は、陶磁器は専門外と存じますので、簡単にご説明させて戴きます。

獅子「白澤」が鎮護する太極奇跡の文言が印された台座は47×70×70mmで1ミ

リの誤差が無く、しかも印台に空洞が無く完全な方形です。

このような自然火力で焼いた陶磁器は私の知りうる限り古今地球上に一点もありません。

即ち焼成不可能なのであります。

大阪市立美術館蓑豊館長(:現サザビーニューヨーク副社長)他、日本を代表する陶磁器の権

威が“焼成不可能”と断言した陶磁器です。

陶磁器か否かは、富山県中央研究所3人、石川県寺井町九谷焼研究所2人、そして唐白

磁研究では日本を代表する権威、出光美術館長谷部楽爾館長、京都藤井有鄰館藤井善三郎

館長が認めておられます。

もし世界中の名工が日本に集結し古来の自然焼成法で再現を試みるなら、その経費はア

メリカNASAのアポロ計画の総予算を上回り、奇跡的に焼成成ったとしたら、燃料と

なる樹木が日本の国土から消失すると云ったら先生は信じられるでしょうか?!

・・・・・・・・・・・・・!!!

それ以上の陶磁器部門の詳しい説明は同封添付資料また、新旧「寶」本に解説してあり

ます。

紹介した以外純粋な陶磁器の鑑定、また陶磁器部門の歴史考証で、正面から異論反論を

唱えた方は誰一人おいでません。

昨年九月日本の陶磁器部門の最高学会「東洋陶磁学会」の常任委員長であり、「大阪市立

東洋陶磁館」伊藤郁太郎館長にも「寶」を拝見戴きました。

席上、伊藤館長からの純粋な陶磁器の質問以外の@印面時代様式A窯場の問題、この二

問のご質問にも、後日裏ずけ資料を添付の上、明快にお答えいたしております。

それ以上は真摯なる対応を戴いた館長のお立場もあり控えさせて戴きます。

いずれにしても、陶磁器部門の判定は同封資料にあるとおり公的機関そして日本を代表

する方々に検証戴き、完璧に終えております。

あとは、唐代歴史からの検証でありますが、新旧「寶」本そして同封資料に目を通して

いただければ、枝葉な錯誤は別として歴史の大本・大脈は終えている所存です。

この神噐・太極「寶」なくして、中華4000年、文化の黄金期、唐代の歴史は整合い

たしません。

唐代史。道教史・陶磁史、杜甫李白の漢詩、正倉院文物、唐代発掘古銭、その他全ての

歴史事象が中華4000年の金字塔、神噐「寶」の存在を指し示すのであります。

神噐「寶」発見はドイツのシュリーマンがトロイアの遺跡発見に匹敵する壮挙と信じて

疑いありません。

これまで50人以上の個々の先生方が沈黙または背走です。

また「日本道教学会」2波・計8回「日本中国学会」計4回「東方学会」計4回(日中

関係学会1回)いずれも約1年の期間を設け、礼を尽くし段階を踏んで、全て配達証明

付きでお届けいたしております。

しかしながら結局公式には一度も「寶」本に対する所見を戴けず、門戸を固く閉ざして

沈黙です。

三学会には最終、異論反論無き場合、枝葉な錯誤は別として、歴史の大本、大脈、そし

て神噐「寶」の存在をお認めなったものと了解する旨の内容証明書付きの書状を御送り

致しております。、

失礼ではあるが、学者としての誇りも、また信念のかけらも無いと謗られても致し方あ

りません。

同封資料の通り、日本の知性と謳われた故草柳大蔵先生・易と陰陽五行思想における日

本の第一人者・吉野裕子博士・中国美術工芸で世界的にも有名な京都藤井有鄰館・藤井

善三郎館長・中国若手ナンバーワンの王敏女史・桜美林大學野口鐡郎教授他幾人かの方々

から絶大な支持、また深い理解を賜っております。

無位無官、市井の門外漢を黙殺することは致し方ないとしても、それはとりもなおさず

草柳先生他、至高の各位を黙殺することであり、真昼の蜃気楼であります。

新旧「寶」本そして同封書状その他を概観いただき、●●澤先生の歴史的御所見を賜り

たく存じます。

先生は確か「東方学会」に所属されておられた筈で、不快な思いを抱かれたとしたら申

し訳ありません。

池田温会長からは個人的所見を戴きましたが、要を得ません、それ以上は控えさせて戴き

ます。

私として、「寶」解明執筆、その後の闘争も含め足掛け17年、果てしない道を歩ん

で参りました。

深い深い義憤を禁じえません。

サントリー文学賞を受賞した元道教学会会長で歴史三学会で今も要職に名を連ねる●波

大学の某教授が、裏で会長はじめ理事会を圧し、この中国4000年の至宝、神噐「寶」

の歴史を封じているのです。

専攻が道教および老子研究でありますが、老子哲理とは遠く“歴史の冒涜”大罪であり

ます。

個々の大學の諸先生方数十人、公的美術館館長その他90%以上の方々、そして300

0名以上が参集すると勘案される四学会も沈黙、背走であります。

この神噐、太極「寶」は、大宗師司馬承禎が放った、真なる歴史学者か否かのリトマス状

です。

私の17年の歩み全ては末尾記載のHPアドレスに全て載っており、日本はおろか世界

に発信致しております。

未曾有の大恐慌です。巷は阿鼻叫喚であります。

この世界遺産とも云うべき神噐・太極「寶」発見は、覚悟と道理を喪失した現代社会へ

の警鐘の為、降臨したと受け止めております。

まさに混沌する漢文化圏に、太極の核爆弾が投下されたのです。

四学会との経緯と確執その他、「寶」の置かれた現在地は、同封文化庁青木長官に宛てた

最終書状で概観願います。

漢文化の歴史の扉は、●●澤先生の慧眼と史家としての誇り委ねるものです。

中国歴史研究の個人の先生として、まさに最後の最後となりました。

1300年の彼方より、玄宗皇帝が放った勅令の矢文、●●澤先生に、しかと御届け申

し上げます。

漢文化の歴史の扉を開くべく、「道」を賜れば幸甚です。

不作法と身のほども弁えぬ言動、世紀の「寶」発見に鑑み平に平にお許し願います。

                                                                        敬白

平成21719

追記

同封未製本の「寶」本は、旧「寶」本を、書き改めたものです。お忙しい先生です、そ

ちらを先に一読願います。

 

HP・アドレス http://www.taikyoku-takara.com