娘と息子

 

家族を守るため壮絶な人生であった

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娘は母親が遁走した前年、平成12年9月に大学で知り合った男性と結婚した

一流企業に勤める好青年であった

この青年なら愛する娘を、導いてくれるであろう

平凡な家庭を築いてくれる事を願った

娘の無事な旅を祈るばかりであった

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息子は母が遁走した後、月末の送金業務を2ケ月手伝ってくれた

その後不動産の仕事がどうしても合わぬと言う

お金は無かったが出てきたお金の中から450万円を渡してあった

それをもって別の仕事を探すと辞めて行った

致し方無い

合わぬ仕事を引き止めても、本人が不幸である

愛する二人の子供の旅路を、心の中で祈るしか無い

女は血を引き継ぐもの、男は思想、哲学である

私の思想、哲学を詰め込んだ「寶」本こそ我が宝、我が子と悟った

いやそう自分に言い聞かせた

人生、年を深めねば、実相は観えない

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男親とは悲しいものである

当時は息子を説得する間もなかった

生きるか死ぬかであった

平成19128