「寶」エピソード

B新築住宅

金沢三井ホームの当時の営業担当が来て今年で10年保証の点検があると昨年暮れ訪れた。

書類を見ると契約が平成9年3月21日と記載される

初版が平成9年1月5日である

もっと後のような気がしたが、そうであったかと頷くしか無い

いずれにしても第1版の胸が張り裂ける程の、気の遠くなる霊山を越した後である

それでも第2版に向けて壮絶な戦いをしている頃である

妻が一生に一度大きなプレゼントが欲しい

新築の業者も設計も全て私に任せて欲しいと言う

彼女は金沢の三井ホームで建築すると言う

理由は平成7年におきた阪神淡路大地震に三井ホームのツーバイフォー建築が倒壊しなかっ

たと言う理由であった

充分、理はある・・・・・・・

しかし私は不動産屋である

当時取引で大変お世話になっている広瀬木材さんに家を建てる時は貴社に決めていると約

束していた

また千里ブロック以来のお付き合いのルームイン金田や仲良しの鎌仲サッシ、堂田建設そ

の他多くの建築関係の友人がいた

私は皆さんに頭を下げて回った・・・・・・!!!!!!!

取り分け広瀬氏と奥さんには足が重かった・・・・

・・・・・全て任せれば「寶」に没頭できる

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金沢の三井ホームの事務所もどこにあるのかも知らない

ただ一度契約書に判を押しただけで私は一切口を挟む事を諦めた

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複雑な思いを飲み込んで

私は第2版に向けて更なる戦いに突入していった

妻は卒業してきた娘と嬉々として色々な展示場に出かけていたのである

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良く考えると私はその新築なった後ろの4畳の部屋で第3版に登場する則天武后と壮絶な

戦いをしていたのを思い出した

最終「寶」本第六章九項は、その四畳の部屋で書き上げた

畳にタバコの後が幾つもあった

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寶本に載る歌の一句

“雪月の窓に寄り添う寒椿”

その句は私のためにスペースを設けてくれた唯一の空間、4畳の間で詠んだ句である

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平成19120