『友情』    武者小路実篤

           文芸漫画シリーズ

 

これも借りてきて2時間程で一気に読んだ

実篤先生の絵は良く目にしているが、著書ははじめてである

一人の女性をめぐって、親友二人の心の格闘である

友を取るか彼女を取るか、ハムレットの心境を書いた本である

私には二人の心の揺れと格闘が痛いほどわかる

なぜなら私は青春時代、殆ど同じ経験をしている

私の場合は女性の方でなく、友を取った

女性は明るいステキな美人であった

私は彼女の心の中を知っていた

しかし私は当時一番の友であった彼の心の中を知っていた

一度彼女は正装して私の家に遊びに来た

私は彼女の心の中を見抜いていたが、完全に心の扉を閉じた

友人を彼女は、全くに近いほど対象に入れていなかった

それとなく彼の気持ちを彼女に伝えた事があった

・・・・・・・・・・

私は離婚をした

しかし人生に“たら”は無い

承禎に並みの人生は似合わない

表裏一体、最悪は最高の人生!!!!!!!!

全ては「寶」の道であった

女の一人や二人と比べようも無い程の充実した人生である

ただ慙愧に耐えないのは、何十年付き合ったその友人との完全な決別である

友人はサラリーマン、私は氷河期と言われる家業と、前人未到の「寶」の道を歩む

長い年月の間に、果てしない距離ができた

寂しい事だが、世界が違ってしまった

最早話す事もないであろう

男同士の友情は共に鍛え上げ、共に尊敬し合えるレベルにいないと続かない

亡くなられたが、友であり同士であり師であった大兄は今も私に語りかける

・・・足元にも及ばない

千回生まれ変わってもお会いしたいお方である

現在私は昔の友を切っている

現在の私の心を共有できる昔の友はいない

自由と充実度、時間の密度、そこに昔の友人はいない

女性は旅のオアシス、気休め程度である。

アデオス友よ・・である

平成1949