脳とビックバン

               立花隆

立花先生は私と同じ本当に好奇心の旺盛なお人である

勿論立花先生は東大文学部と記憶している

脳の密度、頭の構造も比べようがない

何かの本で読んだが、先生の書庫にスワッピングの本も相当あったと読んだ

フロイトからは、頭の構造が強度のマゾと想像する、私は弱マゾである

好奇心の裾野が広い

昔、ロッキード裁判の時、私の好きな渡部昇一先生が雑誌「諸君」で公開討論を申し入れ

論壇の巌流島であった

固唾を呑んで、期待したが、残念ながら立花先生は受けなかった

逃げたと言われても仕方が無かった

それはさておき、この本の後半、生命の謎の所に興味があって借りてきた

宇宙の方は過去相当数舐めてきた

読んだのではない、理解と読んだのと舐めたのとは違う

私の場合は全て舐めている程度である

 

ヒト成人脳にも神経幹細胞があり、それが医学の世界に衝撃を与えていると言う

簡単に言うと成人では脳細胞が減るばかりと言う定説が覆る大発見なのである

幹細胞は分裂を残した未分化の細胞であると言う

この事一つでこの本を開いた甲斐がある

私の同級生の頭を見ると既に剥げている人、白髪の人が多い

私の頭の毛は彼らから比べたら、断然若々しい

これは人より多い読書のせいと思っている

そして読んでも深く考えないし、ろくに深く理解をしようとも思わない

気楽な読書が脳に適度な刺激を与えていると思っている

また笑う、楽天的、上昇志向が細胞を活性化させ分裂活動を促していると考えている

要するに私は脳を土壌改良し今も進化をとげているのである

脳細胞にある幹細胞が分裂活動して、活性化しているのである

私の脳は晩熟(おくて)なのである

大卒は早熟で,殆ど凍結状態なのである

冒頭のこの一文ですっかり良い気持ちになった

人間は60兆個の細胞から成り立っていると言う

その細胞が離婚してさらに生き生きと蘇った

人生、塞翁が馬である

以上

平成19216