江戸の俳諧にみる魚食文化

                        磯直道

 

このHPの各欄を見渡すと、俳句・短歌、詩、そして世相を切るがまだ弱い

全体のバランスからいって、この欄を強化したいと思う

しかし俳句、短歌は難しい

そんな思いがあって、図書館の新刊書のこの本が目に止まった

江戸時代の魚食に関する歌が詠まれている

なかなか面白い

色々な魚を食べた時の歌が詠まれている

江戸時代の庶民の台所事情が生き生きと見えてくる

芭蕉や蕪村、一茶も出てくる

一二紹介しておこう

「鯛」

  “小鯛さす、柳すずしや海士が妻”芭蕉

「数の子」

  “数の子は二親を祝う年始めかな”氏重

  (ニシンと両親をかけてある)

「鰤」

  “鰤の尾をさげて立ちけり年の暮れ”正秀


その他、ナマコ、イカ、蟹、シジミ、色んな魚介類を食した句が読まれて江戸が匂う

魚に関する食の句ばかりを集めて本にすると、時代の様子が生き生きと浮かび上がって

くる

こんなシリーズ本がもっとあって良い

例えば、江戸時代の女・子供・職業・姑・長屋・侍・旅・その他

時代の庶民の生活が浮き彫りになってくる

俳句や短歌を趣味とした場合、紙とペンだけである、一番お金がかからない趣味であろう

一人で遊べるし、老化防止にもいいだろう

場所も選ばない

魏の文帝が曹植(そしょく)に七歩歩く間に詩を詠めと命じられたそうである

私の師匠である黒川先生は2泊3日の旅行に17・8首詠まれた

私は良く考えて、旅行でせいぜい2・3首である

脳内倉庫の言葉の在庫が足りないからである

行く手は遠い

マア、ボチボチゆくか

そこで一句

“味噌漬けの、アジの香りに、君瞼”(届けてくれたモナリザに一句)

平成19210