★★★

捕えた    Q・レイノルズ(新潮社)

虐殺者アイヒマンの人生と墓場

 

「占領下の東京」を前後読み終えた後である。

この本は1961年の書物。

57年前の書物である

自分として意外な発刊年数である

私はアイヒマンの逮捕された事、そして裁判のことを記憶している

あれは、裁判が長引いてニュースで見たのか?????!!!

チョト記憶が曖昧である

神戸にいた頃、私はヒットラーの「我が闘争」を読んだ

過去アウシュビッツやヒットラーの記録映画をよく見た

チャップリンのヒットラーの風刺映画も記憶に残っている

アイヒマンの裁判の光景も戦慄に残っている

兎に角、著書はユダヤ人600万人の虐殺を計画し遂行したナチスドイツの冷血鬼の史実

である

本書は

第一章 「逮捕」

第二章  「追跡」

第三章  「人間」

第四章   「犯罪」

第五章   「逃亡」

第六章   「裁判」

から成っている

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これも図書館で、無料で戴いてきた本である

誰もこの本を手にして行かなかった

貴重な書物、非常にラッキーとしか言い様が無い

いわゆる日本のA級戦犯が近隣に騒がれ、ドイツの戦犯は日本ほど騒がれて無い

確か小林よしのり先生の本でドイツが国家の責任ではなくナチスの仕業と摩り替えて、

ヨーロッパ諸国の批判をかわしたと記憶している

それはさておき、アイヒマンは特別な人間なのか????????

私はそうは思わない

だからこそ、深刻なのであり、読まなければならないのである

イスラエルの特別刑務所はアイヒマンの自殺防止に徹底した監視体制をとった事が書か

れてあったが、これも昔ニュースか本か分からぬが知っていた

アイヒマンを自分の手で絞首刑をしたいと、世界中から嘆願書が集まったと言う

アイヒマンの逃亡を見て、人間とはこうも生き延びたいのか????

そして死ね無いのか

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格好のいい事を言って、自分だって死ねないだろう

何百万人殺しても、自分は死にたくない・・・・・・・

しかしそれを卑怯者と非難する事は私には出来ない

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彼を捕まえるためのアイヒマン作戦部隊の執念に驚かされる

取り分けその一員フリードマンの執念に脱帽である

完全なノンフィクションである

歴史の真実、ダビンチコードより遥かに面白い

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フリードマン遂にアイヒマンの顔写真を探す

アイヒマン自身、自分の写真を殆ど残さなかったと言う

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ブエノスアイレスでアイヒマンは捕まった

妻の追跡により終止符を打つ

尾行の鉄則は数人ですること・・・・か!!!!!!!!

第三章にアイヒマンの人間形成が書かれてある

幼少期の生活環境が大きい

子供時代母親が亡くなって、貧しい環境に育つ

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一番恐ろしいのは人間である、すなわち、己自身でもある

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この本はアイヒマンの裁判中に出された本で、アイヒマンがいつ判決を受け処刑されたか

は書かれてはいない

この時代に生きて、この本を読まない人は、私から見たらただ生きただけ

食べて糞して、そして只楽しかっただけの人生

山の熊や狸と同じ人生に私には映る

こんな面白く凄い本が、無料でしかも誰も手に取ってゆかない・・・・・

信じられない話しである

アイヒマン追跡は第二次世界大戦あとの、世界中の関心事であった

成長した後の私ですら、非常に興味のあった裁判です

恐らくこの本は絶版になっている筈

読みたい方がいたら、県立図書館、または当店まで来ていただければ、貸し出しいたしま

最後に第四章「犯罪」の箇所は遥か地球外、異星人の記録書であった

人間としての感情をもって読める「章」では無い

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身も凍る白日夢である

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ヒットラー・スターリン・毛沢東・金日成・ポルポト

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近代歴史の異星人たちである

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以上

平成18125