玉井日出夫文化庁長官殿

 

冠省

本年19日付けで、中国文明の至宝、神噐

・太極「寶」の真偽、是非を問うべく、書

状を差し上げた者で御座います。

身の程も弁えず、再び長官に差し出します

こと、お許し願います。

一読のあと、同封@、斉藤孝正文化庁主任

調査官に先月
316日付け(配達証明)で差し

上げた確認書、そしてAの4月に入っての追

走の書状にお目通し願います。

同封Bは、十年前中国政府の橋頭堡である大

使館が動き、その指示により中国故宮博物

院から戴いた「寶」の鑑定結果であります。

何故、当時の陳健駐日大使が指示を出したかは、Aの書状の通りであります。

結果は、日本では考えられない写真判定による鑑定で自然石との結果です。

さて、本年1月9日付けの長官への書状、またAの書状にもあります通り、私は日本に

おける、中国歴史研究の何十人の大學教授そして、3000名の諸先生は集うと勘案さ

れる関係学会も全て踏破致して参りました。

個々の諸先生方もそして各学会も異論反論できず、沈黙または背走です。

その結果を踏まえ、前青木保長官には配達証明にて三度「訴状」を差し上げましたがご

返事は一度も戴けませんでした。

その為、私は広野民主党副幹事長にお願いし文化庁に足を運んでもらいましたが、返っ

て来た返事は、書面でもない、しかも底の割れる、短絡な答えです。

ことの次第は同封@Aの通りです。

約17年間、市井の零細事業者が、不眠不休、気の遠くなる道を行軍して参りました。

長官が私の立場ならば、この様な意味不明、笑止千万なお話で、17年の歳月を白紙に

出来るでしょうか?。

市井の門外漢と門前払いされるのは致し方無いとしても、それは「寶」の史実に深い理

解と支持を賜った故草柳大蔵先生・故吉野裕子博士・黒川総三先生・藤井善三郎館長他、

真の諸先生を黙殺することであり、私として到底、看過することは出来ません。

覚悟なき保身の群れが陰で囀っているのであります。

神噐・太極「寶」は、唐代道教の大宗師・司馬承禎が印面太極の秘文を考案し、唐朝の

英才達が叡智を結集し造形を定め、しかる上で約30年の歳月を費やし焼成した未曾有

の陶磁器です。

世界遺産とも云うべき未曾有の神噐「寶」の検証には、長官直属の特別チーム編成を請

願するものであります。

検証には、最低限、陶磁器部門、篆刻部門、歴史部門、道教部門の各代表が必要であり

ます。

「太極」を古今の天才司馬承禎が、道教奥義で天隠した神噐「寶」は、「東洋陶磁学会」

だけに鑑定を求めるには限界があります。

中国文化の黄金期、玄宗皇帝の勅令により唐朝が総力を挙げて完成した至宝です。

同封Cはノーベル賞を受賞したアレキシス・カレルの一節がものの見事に、「寶」に対す

る惨状を指摘しております。

しかしまた、逆説的には、この神噐「寶」は想像を絶する世界の至宝で、致し方ありま

せん。

中国政府が動き故宮博物院が下した自然石の判定と陶磁学会が下した清朝の復刻版即ち

陶磁器と“真っ向反対の判断”です。

日本の文化庁とて、見過ごす事の出来ない重大事と存じます!!!。

今ひとつ、世界の陶磁研究者の謎である唐白磁の窯場は未だ発見されておりませ

ん!!!。

「寶」本で私は確信的にその窯場を唐代地名、河南省豊寶県の東「龍興」と予言致して

おります。

その場所は同封Dの地図で、推論は末尾の「寶」HP、改訂「寶」本に詳しく載ってお

ります。

約10年前「寶」を拝見戴いた元出光美術館館長の長谷部楽爾先生は唐白磁研究の日本

の第一人者です。

長谷部先生は絶版となるであろう最近の著書でも窯場発見の重要性を訴えておられます。

「寶」は約30年間焼き続けたのであります。

しかも、史書に載る「端渓の硯とともに天下に貴賎無く用いられた」唐白磁です。

当時の人口が約4500万人と云われます。

庶民の食器類から唐朝の祭器まで、官民問わず唐代の殆んどの焼物を「龍興」一箇所で

30年間焼ていたのであります。

「龍興」は神噐「寶」誕生の地で、壮大な神殿が建っていたという幽かな伝承が今も残

っている可能性があります。

いずれにしても「龍興」の東西南北約5`四方を試掘すれば、地下約3mに白磁の残骸

が地層を成して堆積している筈です。

長官より東洋陶磁学会に調査チーム立ち上げを、指示願います。

各学会は歴史・文化の研究に対する崇高な理念を掲げられておいでます。

「東洋陶磁学会」は勿論、「日本道教学会」「東方学会」「日本中国学会」「日中関係学会」

各々掲げておられます。

その設立の趣意からして、この目を疑う怠慢は、人類文化に対する大罪と謗られても致

し方ありません。

上記各学会の代表者に加え、日本篆刻家協会代表の参加も必要であります。

なぜならば、印面に刻まれた「寶」の文字は篆刻辞典にも載っていない未発見の字態

す。

あとの人選は同封斉藤主任審査官の書状の通りで御座います。

「寶」解明後、約9年間、家業に押寄せる暴風雨と戦いながら不眠不休で行軍して参り

ました。

各学会へは、国民の血税である億単位の助成金もあろうかと存じます。

私は納税者の一人であります。

沈黙の怠惰に、深く激しい義憤を禁じえません。

後世、神噐・太極「寶」が、この日本で発見確認されることは、政治的にも文化的にも、

大きな意義があると確信致しております。

中国歴史研究者は世界中においでます。

唐代は中国4000年の歴史上、世界に鳴り響いた文化の黄金期であり、神噐「寶」は

その金字塔であります。

漢文化圏に伝播した獅子文化の基は、この印面太極の文言を鎮護する白獅子「白澤」で

す。

その伝播面域は万里の長城を凌駕いたします。

神噐・太極「寶」の存在を知らず空しい研究書が日本はおろか世界中で続々刊行されて

おります。

その意味でも、文化庁には大きな責務があろうかと存じます。

現下の大恐慌、玉井長官の“歴史的ご英断”を“一刻千秋”の思いでお待ち申しており

ます。

身の程も弁えぬ言動の段々、未曾有の神噐・太極「寶」発見に鑑み、平に平にお許し願

います。

                                                                   敬白

平成2248

 

同封

斉藤主任調査官書状 @ A

故宮博物院鑑定結果 B

アレキシス・カレル一節 C

龍興の地図D