第36回「日展」



今日5月1日、県民会館で催されている日展を見に行った

十数年ぶりである!

昔見に行ったとき、時間がなく殆んど駆け足で会場を回った事を記憶している!

その時、駆け足鑑賞の私が、数ある作品の中でピタリと足を止めた作品、それは巨匠・東

山魁夷の作品であった!

確か雪降る林の枝にとまる野鳩の絵であった!

私は絵画・陶磁器・其の他作品を見る時、作者や金額、賞の表示を見ないように心がけて

いる!

そうしないと自分の目線位置の確認ができない。

また予断が入り、自分の感性を磨けないと考えている

虚心坦懐に作品と向き合いたいからである!

 

今回は時間が有って、割とゆっくり見て回った

それでもセッカチな私で作品が300点前後あったか?全部で1時間少々?1作に10〜

15秒前後であろう?!

最初に、アッ凄いと感じた絵画は、ビルの正面玄関内側から外のビル街の風景、ビル街に

差し込み反射する太陽の光を実に見事に描写しており、思わず立ち尽くした!

手招きして呼んだ連れの彼女が、これ特選ヨ!と言って初めてその作品が特選であること

を確認した!

振り返って全体の出展数は、絵画、工芸・彫刻、書で大よそ300点程と思うが、特選は

20〜25点位だったと思う

どれも日展に出展する位の力作だから一つ一つの作品だけを鑑賞すると、その作品の優劣、

が分からないが数多く、傍に並べてあると、微妙な差が見えてくる!

極力、作品脇下の受賞の札を見ずに自分の特選を選んだ、大体5割の割合で私の特選と会

場の特選と符合した、そして当たり外れを確認してから今一度作品を見直し、合否すると、

7割近く符合した!後の3割は、自分では納得できなかった、もっとも洋画の前衛的なも

の、私の不得意な分野の絵画も特選になっていたせいもある

それでもかなりの好成績で、自分の感性と審査員とのズレが少なく、内心自信を深め誇ら

しげであった!

工芸部門の作品は漆芸・木工・金工ありで各々比較しにくい上、技工・技術的見地は素人

で、優劣を判断する以前の問題で、ただ見惚れていた。

彫刻部門は、一昨年、県水墨美術館で見た高村光太郎の作品が今も脳裏に残り、どれも私

には感動を覚えなかった!

書は私の能力では優劣判断が出来ない!ただ1点だけ、ピタリと感じた!

どうも書家の書は上手ですぎて、人間の魅力、その人の人間臭さが見えなくて私の胸に響

かない!

絵画の中で賞にはなっていなかったが、

「砂漠に立つ黒人の絵」これは好きだった!

選に漏れていたが、私は大変好きな絵画で

あった!

どうも私は描写力の高い絵に弱い面がある!

兎に角印象に残る絵であった!

恐らく相当数の審査員で選考するのであろう!

全体的にそんなに審査結果とズレは無かった!

「寶」を喝破した承禎である!承禎の位置確認!

鑑賞眼まあ及第点であろう!オホン!

久しぶりに目に栄養を与え、楽しい時間であった!

               平成17年5月5日